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働きはじめた栄養士であれば誰もが抱える悩み。

 

それは、「なぜ、こんなに給料が安いのか?」

 

まいにち、一生懸命働いているし、残業もしている。

でも、給料が安すぎる。

働きに見合った給料じゃない。

このように考える栄養士は多いです。

 

ただ、これは栄養士という仕事のビジネスモデルに問題があります。

今回はその栄養士のビジネスモデルから給料が安い理由についてお話します。

 


栄養士が働いても働いても給料が安い理由


 

1 誰にでもできる仕事である

 

僕は以前は栄養士として最初に就職したのは大手の受託給食会社でした。

その時の仕事内容は

・簡単な調理業務

・盛りつけ業務

・洗浄業務

・事務処理業務(小口現金管理、書類整理など)

・清掃業務

・仕込み業務

こういった仕事をしていました。

そして、これらの仕事のほとんどはパートタイムで働く方々でもできる内容です。

そう、別に栄養士でなくても誰にでもできる仕事なのです。

 

世の中のサービスの価格は需要と供給のバランスで決まります。

これは給料でも同じです。

つまり、「誰にでも出来る仕事は給料は安く」「誰にでもできない仕事は給料が高い」

これが給料の基本的な考え方です。

 

この考え方に当てはめると残念ながら、今の栄養士の仕事の多くは「誰にでもできる仕事」がほとんどです。

つまり、もしあなたが今の会社で給料を上げたいのであれば、その会社で「あなたにしかできないこと」を増やす必要性があります。

 

ただし、この考え方にも落とし穴があります。

普通は「誰にでも出来ない仕事」ができるようになれば給料が上がりやすいのですが、こと栄養士の業界においては必ずしも当てはまらないことがあります。

 

それは、この業界のビジネスモデルが原因です。

 

2 価格がコントロールできないビジネスである

 

先ほどサービスの価格は「需要」と「供給」の関係で決めるとお伝えしました。

本来であれば需要が多くて、供給が少なければ価格は上がります。

つまり、供給をコントロールすることのより価値を高めることができます。

 

しかし、栄養士が働く環境においてはこの価格をコントロールすることが非常に難しいのです。

 

たとえば、僕は受託給食会社で働いていました。

僕の配属先は神奈川県の病院です。

つまり、病院から依頼されて、病院の食事を提供するサービスです。

僕らに払われるお金は「病院」から支払われています。

 

ここで問題があります。

僕らは「病院」からお金をいただいています。

ではその「病院」が僕らに払うお金が誰が払っているかというと元は「患者さん」が払っているものです。

 

需要と供給の関係でいうと普通の飲食店であれば、美味しい食事を提供してお客さんが増えれば「価格」は上がります。

どんなにいいお店だとしても席数に限りがありますからね。

実際に、予約がなかなかとれないお店は価格が高いことが多いです。(厳密には利益を高くしています。)

 

 

では、これを「病院」に当てはめてみましょう。

 

病院が質の高い食事を提供すれば当然、患者さんは嬉しいですよね。

でも、質の高い食事を提供したとしても「価格」を高くすることはできません。

なぜなら、国に基準が決められているからです。

つまり、どんなに質の高いサービスを提供したとしても価格を上げることができないのです。

 

中には自由診療の一環として価格の高い食事を提供している病院やクリニックもあります。

しかし、そういった場所はかなり少ないです。

ほとんどの栄養士は価格のコントロールできない場所にいます。

 

また、病院にもベッドには限りがあります。

つまり、患者数を増やすのにも限界があるということです。

 

「価格」を上げることもできなけらば「患者数」を増やすのも難しい。

つまり、利益を出すことが非常に難しいビジネスモデルなのです。

 

病院も患者さんから「食事代」を決められる料金が上げられない以上、委託給食会社に払える金額もあまり上げることができません。

そうなると「病院」からもらったお金から支払われている僕ら栄養士の給料もなかなか上がらないのです。

 

社員食堂であれば、まだ価格はコントロールできます。

この場合は国ではなく企業の方針によって決まります。

つまり企業が「食事」の重要性にどれだけの価値を置くのか?ということですね。

 

あなたが、「企業」の栄養士であれば、「食事」の価値をプレゼンできれば価値をコントロールできるかもしれません。

 

3 なにが出来る人なのかわからない

 

たとえば、友人に自分の職業を名乗ってみてください。

「僕は管理栄養士をしています。」

そうすると、大抵の人は「栄養士ってなんの仕事をしているの?」と聞き返されます。

 

世間では僕ら栄養士がなにをできるのかわかっていません。

そして、なによりほとんどの栄養士自身が自分がなにをできるのかをわかっていません。

 

栄養士自身が自分の立ち位置をどのように位置づけるのかで「地位」は変わってきます。

「誰にでもできる仕事をしている栄養士」ではなく「栄養士にしか出来ない仕事をしている栄養士」。

 

この認識を栄養士自身が自覚を持ち、そして情報を発信していかなければ給料は上がらないでしょう。

 


給料を上げるためには


僕は現在フリーランスの管理栄養士です。

 

主な仕事は予防医学に関連するセミナーの開催や栄養相談。

そして僕のようなフリーランスとして「栄養士」という資格を最大限に生かして、栄養士にしかできない仕事を積み上げていくためのキャリアアップコンサルタントとして活動しています。

 

僕の仕事は自分の「栄養士」としての資格を生かしつつ、自分にしかできない「仕事」にしました。

そうすれば価格をコントロールすることができるので給料を上げることができます。

 

あなたも給料を上げたいと考えたら、自身の価値を高めて「栄養士のあなたにしかできないこと」

 

これを考えてみてください。

きっと、今よりも給料を上げることができるでしょう。

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