寒さがきびしくなる秋冬はもちろん、
真夏の暑い日も冷房がガンガンと効いた部屋で過ごす
私たち現代人のカラダは冷え切ってしまっています。
冷えは万病のもと
と、いわれるように、あなたが悩む不調の原因は
もしかしたらカラダの「冷え」にあるかもしれません。
冷えの原因と対策についてご紹介していきます。
なぜ、カラダは冷えるのか?
1.ストレス
私たちのカラダは、
自律神経とホルモン
この2つのバランスにより、
様々なストレスに対処し、健康を維持することができます。
しかし、慢性的にストレスにさらされ続ける現代人は
交感神経または副交感神経のどちらかが過剰に緊張し、
自律神経のバランスが崩れてしまいます。
また、ホルモンバランスを司る「副腎」という臓器も
大きなストレスが長期間つづくことで疲れ切ってしまい、
「コルチゾール」というストレスからカラダを守るホルモンの
分泌が不足してしまいます。
過度なストレスで自律神経とホルモンバランスが乱れることにより
血流障害や細胞のエネルギー低下することで、
カラダの「冷え」へとつながります。
2.生活習慣
・毎日、シャワーですませる
・ハイヒールやタイトスカートなどカラダをしめつける服装を好む
・運動習慣がない
・冷たい飲み物をよく飲む
上記の生活習慣は、どれも血流を低下させています。
冷えの症状を悪化させているかもしれません。
3.筋肉量の不足
男性よりも女性の方が冷えに悩む人が多いとよく言います。
これは筋肉量がすくないためです。
筋肉量・基礎代謝量・体温
この3つは比例の関係にあります。
簡単にいうと、
筋肉量を増やすことで基礎代謝は自然と上がり、
基礎代謝が上がると、体温も自然と上がる仕組みになっているのです。
冷え性を運動で改善するもっともよい方法は、
下半身を鍛えること。
とくに、足の筋肉は「第2の心臓」と呼ばれるほど、
血液循環に大きな役割を果たしています。
ウォーキングやスクワットで足腰を鍛え、
冷えを改善しましょう。
冷えるとカラダは・・
血液にのって運ばれるはずの
栄養・酸素・ホルモンが十分に巡らないため、
新陳代謝がわるくなり、全身の機能が低下します。
そして、カラダを外敵から守る免疫機能も低下するため、
病気にかかるリスクが上がることで、様々な弊害をよびます。
冷えの症状
1.末端冷え
▷手足の指先など末端部分に冷えを感じる。
20~30代の女性に多い。
自覚されやすいため、対策もとりやすい。
2.内臓冷え
▷おなかをさわると自分でも驚くほど冷たい。
内臓の機能が低下しており、胃腸のトラブルが多い。
自覚されにくい。
3.下半身冷え
▷上半身はあたたかいのに、下半身が冷えている。
更年期前後の女性に多く見られる。
4.全身冷え
▷つねにカラダの冷えを感じる。
最も深刻な冷え症状。
平熱も35℃台の低体温。
カラダあたためポイント 食事編
1.朝食にたんぱく質を取り入れる
たんぱく質は脂質・炭水化物よりも体温を上げやすい栄養素です。
一日の中で最も体温が低い起床後の朝食でたんぱく質を摂り入れることで、
一日カラダを冷やさずに過ごすことができます。
忙しい朝におすすめなたんぱく源
【たまごかけ納豆ごはん】
たまごと納豆をごはんに乗せるだけ!
日本人おなじみの朝食です。
海苔やごま、めかぶをのせてもいいですね。
【鯖缶】
鯖にはEPAという血流を促進させる栄養素が含まれています。
しかも、鯖缶はふたを開けるだけ!
水煮なら、大根おろしを添えるとよりおいしくいただけます。
【ししゃも】
あたまからしっぽまで食べることができるししゃも。
味付け不要な上、トースターで焼くだけなので、
簡単に調理ができてしまいます。
ビタミンEも豊富です。
冷凍庫にストックしておくと、
晩酌のおつまみにもなっていいですよ。
2.ビタミンACEを意識する
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE
この3つをあわせて”ビタミンエース”と呼びます。
これらはそれぞれ強い抗酸化作用を持ちますが、
どれかひとつを単体で摂るよりも、
3つそろって摂取することでその作用を
お互いに増強し合う栄養素なのです。
末梢血管を広げ、血流促進を促す働きのある
ビタミンEの効果を高めるためには
ビタミンAとCを一緒に摂ることで相乗効果が期待できるのです。
ビタミンE:あん肝、うなぎ、アボカド、卵黄、ししゃも |
ビタミンA:レバー、緑黄色野菜、抹茶 |
ビタミンC:赤ピーマン、いちご、きゃべつ |
これらの食材と同時に摂るのがむずかしいときの優秀食材があります。
それは・・
かぼちゃ
かぼちゃはビタミンACEをバランスよく含んでいます。
かぼちゃ100g中 ビタミンA 3900㎍ ビタミンC 43mg ビタミンE 6.3mg |
ただし、かぼちゃは糖質も多く含むため食べすぎには注意が必要です。
副菜で少量ずつ使用するなど、日常的に摂り入れたい食材です。
3.あたため食材を知る
生姜
カラダをあたためる食材というと、やはり生姜。
あたため効果をより高めるためには、
生姜を加熱して摂ることをおススメします。
これは、カラダの深部をあたためる作用のある
”ショウガオール”という成分が、加熱することで
増やすことができるためです。
【生姜の調理ポイント】
・70℃以上に加熱してつかう
・乾燥生姜、加熱、生の順にショウガオールは多くなる
・皮はむかずにつかう
にんにく・ニラ・ネギ
この3つには共通して「アリシン」という香り成分がふくまれます。
これらは代謝を上げ、血行を促進し、カラダを温める作用があります。
また、疲労を回復し、免疫力を高める効果もあります。
唐辛子
毛細血管を拡張し、血液の循環を高めます。
急速にカラダをあたためますが、冷えるのもはやいのが特徴です。
汗をかいてしまうと、カラダを冷やすときに熱を奪われてしまうため、
ピリ辛で、汗をかかない程度がもっともあたため効果があります。
青じそ
青じその特徴的な香りは「ぺリルアルデヒド」といいます。
発汗作用、食欲増進作用、風邪の症状を和らげるなどの作用があります。
また、ビタミンB1、2、C、鉄、カルシウムが豊富な食材です。
あたため食材の特徴
産地が北方(北海道、東北など寒い地域) | りんご、鮭 |
冬が旬 | 人参、かぶ |
塩辛い | 塩、しょうゆ、みそ |
暖色系(橙、赤、黒) | 玄米、赤ワイン、納豆 |
4.冷やす食材を知る
冷やす食材の特徴
産地が南方(沖縄、インドネシア) | バナナ、パイナップル |
夏が旬 | トマト、きゅうり、なす |
すっぱい | 酢、マヨネーズ |
水分が多い | 果物、夏野菜 |
寒色系(白、青) | 白パン、白米、上白糖、牛乳 |
「四里四方に病なし」といったことわざが言うように、
自分が生まれ、暮らす土地で採れる「旬」のものを食べていると、
おのずと必要な栄養素は摂ることができ、健康に過ごすことができるそうです。
しかし、栽培技術の発展や流通経路が確立した現代では、
「産地」や「旬」の境界線がなくなってしまってきているのが現状です。
寒い時期にカラダを冷やす食材が手に入る事もあります。
そんなときおススメなのが・・
「塩」「熱」「発酵」の力を借りる!
冷やす食材をあたため食材に変える方法
【塩】すいか+塩 【熱】大根→切り干し大根、おでん 【発酵】きゅうり→ぬかづけ |
この3つに力で、冷やす食材をカラダをあたためる食材に
変化させることができます。
「これはカラダが冷えてしまう・・」と敬遠するのではなく、
一工夫することで、どんな食材もありがたくいただきたいですね。
まとめ
・カラダが冷える理由には
ストレス、生活習慣、筋肉量の不足などが挙げられる
・カラダが冷えることで
悪性新生物や不妊など重大な病気につながる可能性がある
・カラダの冷えには
末端冷え、内臓冷え、下半身冷え、全身冷えの4種類がある
・カラダをあたためる食事のポイントには
①朝食にたんぱく質をとりいれる
たまごかけ納豆ごはん、鯖缶、ししゃも
②ビタミンACEを意識する
3つを含む優秀食材は「かぼちゃ」
③あたため食材を知る
生姜やねぎなどの香味野菜
あたため食材の特徴(産地が北方、冬が旬、塩辛い、暖色系)
④冷やす食材を知る
冷やす食材の特徴(産地が南方、夏が旬、すっぱい、水分が多い、寒色系)
「塩」「熱」「発酵」の力を借りる
いかがでしたでしょうか?
体温が1度低下すると、免疫力は30%も低下し、
体温が1度上昇すると、免疫力は約5倍も高くなるそうです。
「冷え」は万病のもと。
カラダが冷えていてよいことは何一つありません。
あなたが今、日々の小さな不調に悩まされているのであれば
その解決の糸口は「冷え」の改善にあるかもしれません。
大きな病気につながる前に、
ご自身カラダの「冷え」ぜひ気にしてみてくださいね。